掲載のお知らせ『精神科治療学』vol.38 No.1 Jan.2023
『精神科治療学』2023年1月号(星和書店)特集ーマインドフルネス再考ー様々な対象、領域での応用ーに当センターの佐渡充洋が寄稿いたしました。
タイトル:「マインドフルネス療法は他の精神療法と何が違うのか」-東洋と西洋の異なる世界観のcreative fusionは成立するのか-
抄録
マインドフルネス療法の特異性は、東洋思想と西洋思想の融合にある。精神療法の成立過程でこうした異なる文化を積極的に取り入れた精神療法は筆者が知る限りない。しかしそれがゆえの難しさもある。マインドフルネス療法に対する批判は種々あるが、その1つは自己に対する認識論の違い〔一元論(東洋)と二元論(西洋)〕に集約される。その点を踏まえ、最初にマインドフルネス療法で東洋と西洋の異なる2つのアプローチがどのように融合されているかを概観した。その結果マインドフルネス療法における「脱中心化」が二元論の中でのパラダイムシフトであり、仏教的な一元論への変容とは異なる可能性を指摘した。それでもセラピストが一元論に通じ、治療の中で適切にこれを体現できれば、二元論の中にあっても、脱中心化は自己相対化のプロセスとなり大きな治療効果を生むこと、それに続く一元論への変容に向けての礎になりうることを指摘した。
精神科治療学 38(1) ; 17-22, 2023
key words: mindfulness, decentering, monism, dualism
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