論文掲載のお知らせ『Front Psychiatry 』15 Oct 2024

「不安障害に対するマインドフルネス認知療法の費用対効果研究」の論文がFront Psychiatryに掲載されました。

 

不安障害に対するマインドフルネス認知療法の効果については、すでにpublishされていますが(Ninomiya et al, 2019: https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/pcn.12960)、そのデータを用いた費用対効果研究の結果がこの度publishされました。

これは上記の無作為化割り付け比較対照試験の38名のデータを用いた解析です。

その結果、費用対効果の指標である増分費用対効果比(Incremental Cost Effectiveness Ration: ICER)は、不安の尺度であるSTAI-S, STAI-Tを効果の指標とした場合には、 1,371円/ STAI-S, 1,157円/STAI-Tであることが明らかになりました。またQoLの尺度であるQALYを効果の指標とした場合には、ICERが1,566,357円/QALY となり、日本におけるICERの閾値(5,000,000円/QALY)を下回ることがわかりました。

以上の結果より、不安障害の患者さんに対して通常治療にマインドフルネス認知療法を追加して実施することは、通常治療単独で治療することと比較して費用対効果的であることが明らかになりました。今回の研究は治療開始から8週間までの結果になりますが今後はより長い観察期間で見た場合に効果や費用対効果がどうなるかについて検討することが必要になります。

 

論文は以下からご覧いただけます。

 

Sado M,Koreki A,Ninomiya A,Kurata C,Park S,Fujisawa D,Kosugi T,Nagaoka M,Nakagawa A,Mimura M. Cost-effectiveness analysis of mindfulness-based cognitive therapy in patients with anxiety disorders in secondary mental health care settings alongside a randomized controlled trial. Front Psychiatry. 2024 Oct 25:15:1391786. doi:10.3389/fpsyt.2024.1391786. eCollection 2024. PMID: 39524128; PMCID: PMC11544232.

 

ぜひご一読ください。