掲載のお知らせ『精神療法』増刊第10号 Jun. 2023

 

『精神療法』2023年6月号(金剛出版)ーグループで日常臨床を変えるーさまざまな場面での活用術ーに当センターの佐渡充洋が寄稿いたしました。

タイトル:「マインドフルネス認知療法」

 

「はじめに」より引用

 

集団精神療法を日常臨床で活かす場合、その精神療法で用いられる技法を通常診察の中でどのように活用するか、そのようなことを議論するのが一般的であろう。例えば、外来で患者の活動状態を把握するために、集団認知行動療法の中で用いられる活動記録表を活用するといった具合である。マインドフルネス認知療法についても同様の検討は可能である。例えばマインドフルネス認知療法で用いられる3ステップ呼吸空間法(3分程度で行えるもっとも簡便な瞑想法)などを患者に紹介して、必要なときに実施してもらうといった具合である。またその際に、外来などの日常臨床では、それほど時間が割けないことを鑑み、マインドフルネス認知療法の基本的な概念を解説するセルフヘルプの書籍や動画などを活用してもらうことも有用であろう。

このようにマインドフルネス瞑想をセルフヘルプとして実践してもらうことは(例:不安になったときに、これを鎮めるために呼吸瞑想をする)有用であるが、うまく機能しないことがあるのも事実である。なぜなら、マインドフルネス瞑想は、即効的に効果を発揮する”ライフハック”的なツールではなく、一定期間瞑想を継続するという体験を通して、”今ここにある現実をあるがままに受け入れる”という姿勢を習得していくための一連のプロセスだからである。またこれを独力で習得するには一定の限界があるからでもある。

一方でマインドフルネス瞑想を患者に実践してもらうのとは別の形で、日常臨床に活かす方法もある。それは治療者がマインドフルネスを実践し、あるいはマインドフルネスの概念を十分理解した上で、日常臨床の中で治療者がマインドフルな態度で患者に接することである。

そこで本稿では、患者にマインドフルネス瞑想を実践してもらうという視点に加えて、治療者が日常診療をマインドフルに実施するという視点も含めてマインドフルネス認知療法の日常臨床への活用を議論してみたい。(マインドフルネス認知療法の実践そのものについては成書に譲る:シーガル他、2007)。

最初に、マインドフルネス認知療法の概要にふれ、その効果発現機序について概観する。次にこうしたマインドフルネスの実践を日常臨床の中でどのように活かすのか、3つのポイントを提示しこれを議論する。

 

精神療法 (10) ; 92-97, 2023

 

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ぜひご一読ください。