マインドフルネス認知療法の職場の労働生産性に与える影響The impact of mindfulness-based cognitive therapy on workplace labour productivity

 

写真はイメージです。

 

2020年度、文部科学省科学研究費助成事業 基盤研究(B)の採択を受け、本年9月より、『簡易型マインドフルネス認知療法の効果検証研究』における介入をスタートしました。本研究は、健常成人労働者を対象としており、企業との協働にて実施いたします。

マインドフルネス認知療法(MBCT)に基づくプログラムは、世界各国で研究され、様々な疾患に対する効果、ストレスの改善、well-beingやメンタルヘルスの向上などの効果が認められています。私共の研究室においても、様々な方を対象に研究を実施し、その効果を実証してまいりました。一方で、労働生産性の改善効果があるかは十分に検証されていないのが現状です。このような背景から、マインドフルネスを取り入れたサポートプログラムが労働生産性の改善に効果的かどうかを確かめることといたしました。なお、職域での実施可能性を考慮し、従来のプログラムのエッセンスを維持したまま短縮した「簡易型マインドフルネス認知療法(bMBCT)」を開発し、本研究にて実施いたします。

 

In September 2020, we initiated an intervention titled “The effectiveness study of the brief Mindfulness Based Cognitive Therapy(MBCT)” which was selected to receive a Grant-in-Aid for Scientific Research (B) from the Ministry of Education, Culture, Sports, Science and Technology (MEXT). The study will be conducted in collaboration with companies and will target healthy adult workers.
The MBCT program has been studied in several countries worldwide and has shown effectiveness in treating various diseases, and improving stress, wellbeing, and mental health. We have conducted our own research and have demonstrated the effectiveness of these programs. However, the impact of the program on labour productivity has not been fully verified. Hence, our objective is to investigate whether a mindfulness-based program can enhance labour productivity. Considering the feasibility of implementing the program in the workplace, a brief MBCT (bMBCT) was developed and implemented in this study while maintaining the essence of the conventional program.

 

慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室

慶應義塾大学ストレス研究センター

佐渡充洋(研究代表者)

 
 

職場の生産性向上のためのオンライン簡易型マインドフルネス認知療法の有効性と費用対効果:プロトコル論文

Effectiveness and Cost-effectiveness of Online Brief Mindfulness-based Cognitive Therapy for the Improvement of Productivity in the Workplace: Study Protocol for a Randomized Controlled Trial

 
 

研究の概要

■ 課題名

簡易型マインドフルネス認知療法は健常成人労働者の生産性を改善させるか? ——待機群を対照とした無作為化比較対照研究——

 
■ 目的

簡易型マインドフルネス認知療法が健常成人労働者の労働生産性やワークエンゲージメント、well-beingなどを改善しうるか、またその費用対効果がどの程度であるかを無作為化比較対照研究で検証すること。また、効果に寄与する因子は何であるかを明らかにすること。

 
■ 概要

マインドフルネス認知療法(MBCT)の簡易型を開発し、簡易型によるMBCT により受講の負担を軽減しながらその経済効果や効果を無作為化比較対照試験で明らかにする。

 
■ 研究期間

第1期:2021年9月〜2022年11月
第2期:2022年8月〜2023年10月(予定)

 
■ 実施人数

約220名

 
■ 実施方法

オンライン会議システムを使ったライブ配信による実施。

 
■ 協働企業(五十音順)

株式会社公文教育研究会
大和証券株式会社
株式会社ニチレイ